2021年02月10日
検診でがんと診断されたら、何割の確率で助かるのか
日本経済新聞 がん社会を診るから
がん検診では、 一次検査でがんがありそうな人を選別し、精密検査で本当にがんがあるかどうか判定します。
一次検査で異常がない場合は、次回の検診を受診することになりますが、陽性と判断された場合には、精密検査を受診することが必要です。
検診で見つかるような早期のがんでは、多くの場合、9割以上の治癒率が得られますから、過度の心配は不要です。
むしろ、がんを早期に発見するチャンスだととらえてもらうべきでしょう。
大腸がんの場合、 一次検査(便潜血検査)で陽性となっても、精密検査を受けない人が多いのが問題です。
市町村が実施する住民検診での精密検査の受診率は、乳がんで最も高く(88%)、肺がん(83%)、胃がん(バリウム検査、82%)、子宮頸がん(75%)と続き、大腸がんが71%ともっとも低くなっています。
便潜血検査で陽性となった人のうち、3割が内視鏡検査を受けていませんが、理由として、時間がない、費用がかかるなどの他、多くの人が「痔のためだろう」をあげています。
しかし、痔のありなしで、便潜血検査の陽性率はほぼ変わらないというデータもあります。
また、痔だけが原因で陽性になる確率はわずか2%程度といわれています。
大腸がんの場合、大腸の奥深い場所で出血が起こります。
この場合、便はまだ固まっておらず、液体状のままです。
がんからの出血は便とよく混ざり合いますから、陽性となる可能も高くなります。
一方で、痔は肛門の近くにできますから、便は個体になっていることが多く、出血があったとしても便の表面に付着する程度で、潜血検査陽性になるような影響を及ぼす可能性は低いのです。
つまり、痔があろうとなかろうと便潜血検査で陽性となった場合は、内視鏡検査を受ける必要があるわけです。
日本とは大腸がん検診の進め方が異なる米国では、50~75歳の6割以上が、過去10年に大腸内視鏡検査を受けています。
この結果、もともと日本人よりずっと高かった米国の大腸がんの年齢調整死亡率は過去40年間で半減し、男女とも日本人を下回っています。
米国の予防医学の金字塔ですが、日本も負けてはいられません。
昨年度今年度と、がん患者が大幅に減ると予想されています
これは、がん患者自体が減ったわけではなく、コロナ禍の中で病院に行くのがためらわれて、受診率が減少しているためです
今後、その反動としてがん患者が大幅に増加することが懸念されています
部位にもよりますが、自覚症状がなく検診でがんが発見された場合は、多くは助かります
胃がんなどは、粘膜にとどまっている場合は、ほぼ100%近く助かります
現在国内で7000人近くの方がコロナで命をなくされています
命に重さの比較はありませんが、1年でがんで亡くなる方は約30万人
助かる命が助からなくなってしまうことも考えられます
早期発見が改めて求められる時と考えます
Posted by 尾上 正 at 06:34│Comments(0)