2020年11月04日
天孫降臨 なぜアマテラスは“子”ではなく“孫”に日本の国づくりをゆだねたのか
アマテラスは、自分の子であるアメノオシホミミノミコトに、日本の国づくりを依頼しましたが、アメノオシホミミノミコトは自分の子供が生まれたので、その任務を子供のニニギノミコトに譲ります
島崎晋著 読み出したら止まらない古事記 から
アマテラスの孫が国づくりに向かったのは、古事記編纂時の史実が反映されているとの説が有力視されている
持統天皇は子である草壁王子に皇位を継承しようとしたが、亡くなってしまったため、その子である軽皇子(かるのみこ)、後の文武天皇を即位させた
親から子ではなく、親から孫へ継承されたわけである
ある本を読んでいて、なるほど・・と思ったことですが、古事記には事実ではないが、“真実”が書かれてあると
自分の孫への天皇の地位の継承を正当化するために、神話に織り込んだとも考えられます
大和勢力が、製鉄技術に優れた西国地方の勢力を滅ぼしたときに、桃太郎の鬼退治の物語が作られていったとも考えられています
製鉄技術 = こん棒
鬼 = 悪者
勢力の拡大を正当化させる
なぜ、“桃”なのか
古事記には、イザナギが黄泉の国(よみのくに)から追いかけてきた追っ手を振り切るために、“桃の実”を投げつけて、追っ手を退散させたと書かれています
“桃”には、神の力を持つ食べ物と考えられていたとも言われています
ある本に書かれていたものに、桃は女性器に似ていたからだと・・
古代の埴輪(はにわ)にも、女性のおなかの大きい埴輪がみられたりもします
子供を産む、命を生み出すことに、神の力を感じていたのかも
女性のほうが、男性よりも神に近いと思われていたのだとも思います
アマテラスが女性であることも、日本らしいともいえるのでは
神話の中に、様々な当時の社会情勢が織り込まれています
読書の秋に、手に取られてみるのもいいいですね
Posted by 尾上 正 at 07:02│Comments(0)