2020年06月10日
赤ちゃんは生まれるときに、なぜ手を握っているのか
鬼丸 昌也氏 「僕が学んだゼロから始める世界の変え方」から
仏教に「願生思想」という考え方がある。
この世界に生まれてくる前に、人にはそれぞれに誓ってきたことがあるという考え方だ。
僕は、これは真実ではないかと思っている。
ある絵本作家がこんなことを書いていた。
赤ん坊は両手をギュッと握って生まれてくる。
それは、その手の中に自分が誓ってきたことを握りしめてきたからだ。
生まれ落ちた後、パッと両手を開くのは家族や社会に対して夢を表明している瞬間なのだと。
では、僕たちが生まれる前に誓った願いとは何なのだろう。
もちろん、それは一人ひとりみんな、違うだろう。
しかし、共通する願いがひとつある。
それは、幸せに生きること。自分自身を輝かせながら生きること。
しかし人は、自分だけが幸せになったからといって心からの幸福感を得られない。
他者やほかの命にも幸せに生きていなければ、本当には幸せになれないのだと思う。
幸せになろうと決めること。自分が願ってきたことに素直になること。
それは、自分に忠義を尽くすということだ。
「自分に忠義を尽くせ」
この言葉を、僕は尊敬する先輩から教えられた。
これは決して、わがままに生きるということではない。
自分が生まれるときに誓ってきた願いに忠実に生きることだ。
それは、世界全体の幸せに貢献することを意味するのだと思う。
個人が世界全体の幸せに貢献するなんて、むずかしいと思うかもしれない。
けれども、これまで繰り返し書いてきたように、小さな一歩でいい。今すぐできることでいい。
大切な家族や友だちに、大好きな人に、人生について教えてくれる先輩や偉業を残してくれた先人たちに、心を込めて「ありがとう」と伝える。
たったそれだけでも、一歩を踏み出している。僕はそう思う。
今身近で共に生きている人たちも、まだ会ったことのない遠い国の人たちも、今この地球で同じ時代を共に生きている仲間だ。
そんな仲間のために、小さな一歩を踏み出すことが自分自身の幸福につながる。
鬼丸氏は、学生時代にカンボジアの少年兵の現実や、過去に埋められた無数の地雷のために今なお多くの犠牲者が出ている現実を知り、NPOを立ち上げ、活動を続けておられます
鬼丸氏にとっての願いとは、世界が平和になり、自分たちのような活動が必要がなくなる世の中になっていくのが願いなのでしょう
人がいざ本番という時には、ぐっと拳を握り力を込めます
それは、体に力を入れるためだけではなく、自分の心にも力を入れるためなのでしょうね
Posted by 尾上 正 at 06:48│Comments(0)