2018年12月05日
素直になると、優しくなれる
高野登、志賀内泰弘著
「また、あなたと仕事がしたい!と言われる人の習慣」から
親子というのは、関係が近いだけにお互いにわがままを言ったりして難しいものです。
親は子供のためにと思い、ついつい口うるさくなる。
子供は子供で、感謝はしているけれど素直になれない。
さて、友人が酒の席で、問わず語りにこんな話を始めました。
東京で働いている23歳になる娘がいます。
この娘、小さい頃はお父さんっ子で、お風呂に入るのも一緒、寝るときも一緒でした。
ところが、小学5年になったあるときから、「お父さんとはお風呂に入らない」と言い出しましてね。次第に私から離れていき、高校生になると、私が帰宅した車の音がするだけで自分の部屋にこもってしまうようになりました。
娘は、「お父さんから離れたい」と言い、わざわざ東京の大学に進み、東京で就職しました。
私は寂しくて、娘にはがきを書き始めました。
「おまえのことをいつも思っている」と伝えたいために。何通も。
でも、一度も返事の便りはありませんでした。
1年近く経ったある日のこと、上京して、妻と2人で初めて娘を訪ねました。
娘は、「仕事があるから」と言い、夜8時に渋谷駅のハチ公前で待ち合わせしました。
「どうしても、そこで、その時間」だと言うのです。
私たち夫婦は、「男友達でも紹介されるのか」と心配しながら、少し早めに行きました。
娘も間もなくやつてきました。
でも、「8時までここで待って」と言うのです。
ますます不安になりました。いったい誰が来るのだろう……。
8時になりました。すると、「ほら、あそこ」と、娘がビルの壁の大きな電光掲示板を指差しました。
そこには、「おとん。おかん。めいわくかけてゴメンナサイ」という文字が映し出されました。
それを見た瞬間、涙でもう何も見えなくなっていました。
娘はそんな私たちを見て笑っていました。気持ちがつながったと感じました。
妻も隣で泣いていました。
時折ふらっと帰ってくる娘は、日付順に整理されたはがきのファィルを見せてくれます。
親というのは、世界中のどこにいても子供のことを思っています
たとえ、命がなくなったとしても、空の上から見守っている
「親の心子知らず」という言葉もありますが、子供も本当は心の中ではわかっているはず・・
ただ、あまりにも近いので、なかなか言葉では出しにくい
大切なものは、いつも身近にありますね
Posted by 尾上 正 at 08:27│Comments(0)