2019年08月28日
幸運の女神の“運”ってなにか
コシノ ジュンコ氏 日経新聞8月19日、「私の履歴書」から
調子に乗りすぎていた。泊断があったんだと思う。
装苑賞を取り、挫折らしい挫折もせず、あれよあれよという間に人気デザイナーになってしまった。
真面目に遊ぶことが人脈を広げ、次の仕事につながるものと信じ、毎日のように続けた
乱痴気騒ぎ。稼ぎはあるから丼勘定でも何とかなっていた。
だから天罰が下ったのだろう。
「手形の期日が迫っています。落ちないと不渡りです」
突然、銀行からこんな電話が入ったのだ。寝耳に水だった。
経理が苦手な私はある男性にすべて任せていた。
不用心にも、ハンコや預金通帳をそっくり渡したままで・・。
その人物は行方不明で一切連絡が取れない。
事情を聞くと、会社名義で手形が振り出されており、期日は翌週月曜だという。あと数日しかない。
金額は3千万円。自分の顔からみるみる血の気が引いていくのが分かった
詐欺事件に巻き込まれたのだ。
お金を用意できなければ不渡りになる。
店も商品も差し押さえられ、従業員の生活も吹き飛ぶ。
一度失った信用を取り戻すのは至難の業だ。
絶体絶命のピンチだった。
とにかく知人に電話をかけまくり金策に走り回り、乾いたタオルをさらに絞るような思いでようやく集めたのが2700万円。
だがどうしても300万円足りない。明日は日曜。
週明けには期日がやって来る。
その時、男性が偶然声をかけてきたのだ。
入居で契約する際、 一度会っただけで普段会うこともない相手である。
「お、まだ仕事かい? 若いのに偉いねぇ。コシノさんを見ていると、何だか自分の娘みたいに思えてくるよ」
「全然偉くないです」
私は暗い表情で答えた。不渡り寸前なのだ。
恥を忍んで聞かれるままに事情を説明すると、次の瞬間、オーナーは驚くべき言葉を口にする。
「300万円か・・・。よし、じゃあ、僕があげるよ」そして目の前でサラリと小切手を書き、私にくれたのだ。
こんな奇跡ってあるのだろうか?
「これは頑張っているあなたへの贈り物です。どうか受け取ってください。
あげたから返す必要はないですよ」
地獄に仏とはこのことだ。
私は狐につままれたような思いで相手の顔を見つめた。
おかげで手形の期日を何とか乗り切ることができた。
多くの人が名前を知る「成功者」と呼ばれる人が話す言葉には、共通点があると思います
私は「運」が良かった・・
ただ、客観的にみて、運が良かったどころか、自分の力ではどうにもならない崖っぷちに立たされています
そんなときに、「まるで導かれたように」人から助けてもらえる・道が開ける・・
それを「運」が良かったと・・
あり得ないような幸運の女神が舞い降りる人は「運を引き寄せる」それまでの生き方があることが、とっても大切だと思います
上昇気流の時には、人はついてきてくれますが、転がり落ちていくときに、人が手を差し伸べていただくには、それまでの「生き方」が左右します
コシノさんに、2回目にあったばかりなのに、お金を工面してくれた方は、おそらくは他の人からあの人は頑張っているよ・・、一生懸命やっているよ・・ということを聞いておられたのだと思います
神様は、みなお見通し
女神から愛される生き方をしていきたいですね
Posted by 尾上 正 at
08:12
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